全日本漁港建設協会概要

会長挨拶

岡貞行会長
(一社)全日本漁港建設協会は、漁港建設業が果たすこれらの社会的責任に希望と誇りをもって、現下の厳しい変革期を乗り越えていくため全力で取り組みます。

このたび、令和2年5月20日第39回理事会において、新会長に任命されました。歴史ある(一社)全日本漁港建設協会に選任いただきましたことは大変名誉なことである一方、その責任の重さに身の引き締まる思いでございます。まずは、役員をはじめ会員の皆様の暖かいご支援とご協力を心からお願い申し上げます。

本協会は、昭和53年の創立以来、広く社会公共のために尽くすという高い志を掲げ、会員の保有する優れた建設技術をもって漁港漁村の健全な発展と活性化に貢献しつつ、郷土の発展とともに成長する漁港建設業者の集まりを目指してきました。そして坂井名誉会長をはじめとする歴代の大島会長、長野会長を先頭に副会長や支部長等役員の皆様の一致協力の下、協会の総力を結集して強力な活動を展開し、幾多の課題を克服するなどの成果を上げてきました。記憶に残るところでは、東日本大震災の津波被害により、東北3県の漁港漁村は壊滅的被害を受けました。壊滅です。建設資材がない、作業船もない、作業員もいない、そういった絶望的な状況の中、被災しながらも郷土を想う地元の漁港建設業者の不屈の努力と全国の会員各社からの応援により、無事復旧復興の道を歩むことができました。当時、水産庁で災害復旧担当室長をしていましたが、災害復旧予算や人材及び資機材等の確保にむけた活動、全国の会員による支援体制の整備など全日本漁港建設協会が果たした役割には目覚ましいものがありました。


建設業界は長期間にわたる公共事業の減少等に伴う受注の減少、きつい・危険など3Kと言われる労働環境やこれによる担い手不足など厳しい状況が継続しています。このような中、令和元年度、品確法をはじめとする建設業にかかる担い手3法が改正され、働き方改革や生産性の向上、さらに、災害時における地域の担い手として建設業の役割が盛り込まれるなど、改善の道筋も見え始めています。しかしながら、漁港建設業においては、近年増加する小規模工事や漁港漁場整備特有の作業船回航費などにおける標準設計と実態の乖離問題、また、海上工事における適正な工期の設定問題など、まだまだ改善すべき課題が多く残されています。

加えて、漁港建設業を取り巻く環境も大きく変化しています。まず、漁港漁場整備事業においては、水産業の成長産業化として輸出促進にむけた漁港の衛生管理対策や低迷する水産資源の回復に向けた漁場環境の改善対策、さらには、近年激甚化する大規模災害への対応などがより重要となっています。また、一昨年には70年ぶりに漁業法が改正され、水産政策も大改革に舵を切りました。中でも特に関係するのが、漁業の成長産業化の柱の一つとされた養殖業の振興であり、漁港建設業においても、大規模静穏水域の確保や漁港の有効活用などへの対応が重要となります。直近では、なんといっても新型コロナウイルス禍です。現在、各現場において応急的に感染防止対策や事業継続に向けた対応が講じられていますが、今後、会員の皆様の意見を聞きながらより効果的な対策の検討が求められます。


漁港建設業は、漁港漁場整備の安全かつ効率的な実施に加え、災害対応など地域の守り手としての貢献、漁業支援など地域経済への貢献、さらには、国土の保全と形成への貢献など社会的に大変重要な役割を果たしています。これまでもそうであったように、漁港建設業は、これらの社会的責任に希望と誇りをもって、この変革期を乗り越えていかねばなりません。このため、今後の漁港建設業の目標及び励みとなるとともに国民からの支持と理解が得られる新たな漁港建設業の将来ビジョンを策定したいと思います。そして、これを礎に、会員一体となって、安定経営に必要な予算や事業量の確保、適正な利潤確保が可能となるよう品確法及び同運用方針の徹底など漁港建設業が抱える各課題の解決に積極的に取り組んでいきたいと思います。


全日本漁港建設協会は、地域社会との密接な連携交流を図りつつ地域社会への貢献とその期待実現に絶えず努力を重ねてきました。私は、当協会創立の精神を引き継ぎ、また、歴代会長や協会役員の皆様のご指導を仰ぎながら、漁港建設業が持つ公益的役割の国民理解増進と水産業の競争力強化、海域の生産力向上、漁業地域の防災対策や活性化、沿岸域の監視など国土保全に貢献するため、漁港建設業が抱える各課題の改善、活動領域の拡大、そのための調査研究や技術開発に積極的に取り組み、漁港建設業の健全な発展と社会的地位の向上に全力を注いでまいります。会員の皆様のご支援とご鞭撻を心からお願い申し上げ、ご挨拶とさせていただきます。

全日本漁港建設協会 会長 岡 貞行